2009年04月25日

受胎告知

初診日3続き)

16時過ぎから始まった初診日の診察は17時前に終了した。


驚きでいっぱいだった。

私はうつじゃなかった。
双極性障害だと。

全く想像もしなかった。



双極性障害だって!?


私は一般医では手に負えない、
精神科医による治療が必要な“本物の”精神病なのだ。



“ショックだった”というと悲しみの要素が含まれるのでちょっと違う。
“びっくりした”“驚いた”というのが正直な気持ちだった。

それはまるで、受胎告知されたマリアが
「え!?どうして私が?」という驚きと困惑を隠せないような、
そんな感じだった。



しかしやっと長年の謎が解けたというか、自分でも納得ができるというか、
“スッキリした”という心境でもあった。


だが、受け入れるのにはそれから数日を要した。





のちに私は、受胎告知の際マリアが
イエスの誕生を告げる天使ガブリエルに返した言葉を知った。

「Ecce ancilla Domini(私は主のはしためです)」
(意味:すべて、み心のままに
    全てを受け入れ、委ねます)

この言葉には、受容と諦めという、両義的な意味合いがあるらしい。


なんの予備知識もなくこの例え話を思い浮かべた私は
無意識のうちに最初から悟っていたのかもしれない。


与えられた自分の事実を受け入れ、生きる。
いつか振り返った時、そういう人生を生きて幸せだった、と思いたい。



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posted by きらきらちょうちょ at 23:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月24日

初診日3

初診日2続き)

初診の日。
延々と今までの過程を語った後、私は恐る恐る尋ねた。

「ところで診断は・・・?」


医師はこう答えた。

bipolarだと思いますよ。





驚いた。
予想だにしなかった。

自分だけでなく、誰もが想像していなかった。


次の瞬間、子供に遺伝するのではないかという考えがよぎった。
さらに、結婚できなくなるのではないかという不安も。


自分では「反応性のうつ」「過去の出来事に対する心因反応」
「人生の壁」などと思っていた。

私には過去のいろんなことを引きずっていまだ越えられない
人生の壁があり、それを必死に越えようともがいている。
自分は脱皮中なんだと思っていた。

S先輩にも
「あなたには安易にうつに逃げないでほしい、なんとか壁を越えてほしい」
と言われていた。



ところがそうではなかった。

うつですらなかった。
なんと、bipolarだと・・・!



医者としての自分は今まで
うつ、パニック、身体化障害などは私たち一般医が診てもよい疾患で
統合失調症、双極性障害は一般医が手出しをしてはいけない
“本物”の精神病、という認識で教育されてやってきた。

「・・・本物なんだ」という驚きを隠せなかった。



たいして重く考えなくてもいいですよ。
今までうつ病だと思われていたものが
実は双極U型障害であった、というのが最近の趨勢です。


と医師は言った。


さらに

本当は双極性障害なのにうつの治療としてSSRIを内服するのはよくない。
合わないんじゃないかな、なので変えていきましょう。
でもいきなりは変えられないから、少しずつスイッチをしていきましょう。


とのことだった。

そして今まで自己判断で飲んでいたルボックスとメイラックスに加え
デパケンRを処方された。


最後に診断書を書いてもらった。
それを手渡しながら医師の言った言葉が印象的だった。


これであなたは、診察を受ける権利と休養をとる権利を得ました。
そのかわりあなたは、診察を受ける義務と診察者に協力する義務が生じます。



非常に好感のもてる、気持ちよく毅然とした態度だった。
さすが精神科医だ、私たちとは違う、と思った。



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posted by きらきらちょうちょ at 23:46| Comment(3) | TrackBack(0) | 診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

初診日2

初診日1続き)

挨拶の後、私は話し始めた。

自分の仕事のこと。
とくに関心のあった精神科領域、患者教育のこと。
結婚や離婚、結婚前の出来事。
幼少時の体験。
フロイト的男性コンプレックス。


雑誌の執筆を引き受けてからの不安定。
ルボックスの内服。

認知療法、ユング、河合隼雄。

以前よりPMS(月経前困難症)はあったが
今では月の半分は落ち込み、認知の歪みオンパレード。

職場のこと。
仕事ができないことに対しての申し訳なさ。


とにかくひたすら延々語った。
どれくらいの時間かかっただろう。
理解を助けるために、自分の書いた雑誌原稿なども持って行った。



ひとしきり語った後、私は恐る恐る尋ねた。

「ところで診断は・・・?」



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posted by きらきらちょうちょ at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月23日

初診日1

2007年11月6日、予約していた精神科クリニックを訪ねた。
予約は16時からだった。

受診のため仕事は早退せねばならず、そのことを
誰にどう断ろうか、それだけでも行く前に随分悩んだ。

また、診断書の内容、誰にどこまで報告すべきか、
今後通院のために仕事をどうすればよいか、どのような許可が必要かなど
受診後の事務的なことも気がかりで事前に先輩に相談していた。

精神科受診していることが知れたら、多かれ少なかれ
きっと偏見を持たれるだろう。
田舎の小さな病院のことだ。
いくら守秘義務があるといっても、実質隠しておくことは無理だろう。
噂好きの女性スタッフに知られたら、その後どうなることか。



クリニックは自宅や大学病院からわりと近くにあった。

中に入ると木造でログハウスのような感じのいいつくりで
吹き抜けの高い天井には大きなファンが回っていた。

ソファに座って予約時間まで待った。
待合室には何人も患者がいた。

「この人たちは皆精神科の患者なんだ」
「自分もその1人になるのだ」

緊張と何ともいえない気持ちでいっぱいだった。



16時を少しまわってから、診察室のドアが開き
医師が私の名を呼んだ。
「どうぞ」と言われ診察室へ入った。
やはり医師の顔はもう覚えていなかった。


「○○です、ようこそいらっしゃいました」
という挨拶の後、
「緊張していますか?」
と訊かれた。

私は本当に緊張していた。

とうとう来るところまで来てしまった。
“本物の”精神科に来てしまった。

そんな気持ちでいっぱいだった。



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posted by きらきらちょうちょ at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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